建学の精神

愛と信頼をもって
神と人々のために生きる人を教育する。

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建学の精神 「一つの心、一つの魂」

本学の建学の精神は、「幼きイエズス修道会」の創立者レーヌ・アンティエの「マリアにおいて幼子となられた神の愛の秘儀を世に示すために、愛と信頼をもって神と人々のために生きる人を教育する」という教育理念に基づいています。
信愛の名は「神を信じることは、人を信じ愛すること」に由来し、人を信じ、愛することの尊さ大切さを「ひとつの心、ひとつの魂」の言葉に込め、これを建学の精神としています。
本学の教育理念は「信愛教育理念」とも呼ばれ、これを具体的に明示するために、以下の五つの柱を立てています。

1.キリストの教えに根ざした教育
キリストの人間観・価値観、および「幼きイエズ修道会の精神を基盤として、学生の宗教心を呼び覚まし、心豊かな人間を形成する。

2.一人ひとりを大切にする教育
キリスト教的教育理念の中心である「神の愛」を土台として、学生と教員、学生相互の関わりを通して、一人ひとりが大切にされ、受け入れられるように配慮しながら、相互の人権を尊重する精神と態度を養う。

3.能力の開発を目指す教育
学生一人ひとりが、与えられた能力を見いだし、それを最大限に開発して、知・徳・体の調和のとれた人間となるように育成する。

4.自己形成を促す教育
人間の生き方を自覚した上での主体性を確立し、自分自身の成長を図ろうとする自己形成力を持った学生を育成する。

5.社会貢献への態度を形成する教育
各自の能力が充分に生かされ、時代の動きに対応した、よりよい社会の実現に貢献していく学生の育成を図る。

教育三方針

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)※抜粋

保育科
1.豊かな感性を持ち、子どもが好きで、人のために役立ちたいという熱意のある人
2.基本的な生活習慣や基礎学力を備え、幼稚園教諭・保育士・保育教諭になるために意欲的に努力できる人
3.保育に活かせる特技を持っている人、鍵盤楽器の演奏能力がある人、またはそれらを身に付ける意欲がある人
4.問題解決に向けて自分の考えを主体的に表現することができ、多面的に考える基礎的思考力と判断力がある人
5.マナーを持って 多様な世代の人々と良好な人間関係を築くことができる社会性 のある人
生活文化学科ビジネス実践コース
1.多様な価値観を持つ人たちとコミュニケーションをとり、互いに理解し合おうとする意欲のある人
2.身近な生活(衣・食・住)や文化に関心を持ち、社会生活に必要な基本的マナーを身につけている人
3.本コースが掲げる4ユニット(情報コミュニケーション、ビジネスコミュニケーション、医療実務、公務員)の学問に幅広く取り組むための基礎学力と学習意欲を有している人
4.課題意識をもって自分で考え、自分の言葉で意見を伝えることができる人、又は伝えようと努力できる人
5.積極的に自分の個性を伸ばし、地域に貢献したいという目的意識を持った人
生活文化学科食物栄養コース
1.人の痛みや苦しみに共感でき、感謝の心を持つ人間性豊かな人
2.生物や化学に関心があり、食や健康について科学的に考えることができる人
3.自分の考えを自分の言葉で表現し、伝えることができる人
4.人との関わりを大切にし、コミュニケーション能力と協調性のある人
5.食への関心と調理技術向上への意欲を有し、将来食の分野で社会に貢献したい 人
※アドミッション・ポリシーの全文はこちら

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)※抜粋

保育科
1.本学科の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる学修成果を身に付けるため、共通教養科目、専門教育科目を体系的に編成し、講義・演習・実技・実験・実習科目を適切に組み合わせた授業科目を展開する。
2.共通教養科目群に、「信愛のこころ」「社会を見通す力」「人とつながる力」「地域を支える力」の4領域を設ける。
3.専門教育科目群に、「保育の本質・目的」「対象の理解」「保育内容」「保育の指導法」「キャリア」「実習」「総合演習」「卒業研究」の8領域を設ける。
4.専門科目群に、教職課程(幼稚園教諭)及び保育士養成課程のカリキュラムを設ける。
5.全ての科目には科目ナンバリングコードを割り当て、カリキュラムツリーと共に、各科目間の体系性を分かりやすく明示する。
6.1年次前期を「基礎力の育成」、1年次後期を「専門力の育成」、2年次前期を「実践力の育成」、2年次後期を「総合力の育成と評価」の時期とし、適切な科目を配置する。
生活文化学科ビジネス実践コース
1.本学科の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる学修成果を身に付けるため、共通教養科目、専門教育科目を体系的に編成し、講義・演習・実技・実験・実習科目を適切に組み合わせた授業科目を展開する。
2.共通教養科目群に、「信愛のこころ」「社会を見通す力」「人とつながる力」「地域を支える力」の4領域を設ける。
3.専門教育科目群に、「ライフデザイン」「情報」「医療・介護・福祉」「キャリアデザイン」「経営・経理・販売」「地域社会と文化」「卒業研究」の7 領域を設ける。
4.専門教育科目群に、秘書士、上級秘書士、上級秘書士(メディカル秘書)、情報処理士、上級情報処理士、フードコーディネーター3級取得に必要な科目を体系的に配置する。
5.専門教育科目群に、「情報コミュニケーションユニット」、「ビジネスコミュニケーションユニット」、「医療実務ユニット」、「公務員ユニット」の4ユニットを設け、必要な科目を体系的に配置する。
6.全ての科目には科目ナンバリングコードを割り当て、カリキュラムツリーと共に、各科目間の体系性を分かりやすく明示する。
7.1年次前期を「基礎力の育成」、1年次後期を「専門力の育成」、2年次前期を「実践力の育成」、2年次後期を「総合力の育成と評価」の時期とし、適切な科目を配置する。
生活文化学科食物栄養コース
1.本学科の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる学修成果を身に付けるため、共通教養科目、専門教育科目を体系的に編成し、講義・演習・実技・実験・実習科目を適切に組み合わせた授業科目を展開する。
2.共通教養科目群に、「信愛のこころ」「社会を見通す力」「人とつながる力」「地域を支える力」の4領域を設ける。
3.専門教育科目群に、「社会生活と健康」「人体の構造と機能」「食品と衛生」「栄養と健康」「栄養の指導」「給食の運営」「医療」「食育」「ライフデザイン」「地域とキャリア」「卒業研究」の11 領域を設ける。
4.専門科目群に、栄養士養成課程のカリキュラムを設けると共に、医療秘書実務士やフードコーディネーター3級取得に必要な科目を体系的に配置する。
5.全ての科目には科目ナンバリングコードを割り当て、カリキュラムツリーと共に、各科目間の体系性を分かりやすく明示する。
6.1年次前期を「基礎力の育成」、1年次後期を「専門力の育成」、2年次前期を「実践力の育成」、2年次後期を「総合力の育成と評価」の時期とし、適切な科目を配置する。
※カリキュラム・ポリシーの全文はこちら

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

全学のディプロマ・ポリシー
本学に2年以上在籍して所定の単位を修得し、以下に掲げる知識や資質を身につけた学生に対して卒業を認定し、短期大学士の学位を授与する。
・女性として、キリスト教的倫理観を背景に、一人ひとりを大切にする愛の精神を体現し、高い教養と豊かな人間性を兼ね備えている。
・職業人として、その使命を理解し、専門的知識と技能を背景とした高い実践力と創造力で、現代社会の多様な問題解決に自ら率先して取り組むことができる。
・社会人として、地域社会の一員としての自覚と責任感を有し、真摯な姿勢と高いコミュニケーション能力で、地域をとりまとめ、リーダーシップを発揮できる。
保育科のディプロマ・ポリシー
本科に2年以上在籍して所定の単位を修得し、以下に掲げる知識や資質を身につけた学生に対して卒業を認定し、短期大学士(幼児教育)の学位を授与する。
・キリスト教の愛の精神に基づいて、一人ひとりを大切にできる豊かな人間性と高い教養を兼ね備え、地域社会で幅広く活躍する女性としての使命感・責任感をもっている(キリスト教の教えを背景とした倫理観(態度・志向性)、教養・知性(知識・理解)、汎用的技能)。
・子どもや子育て、保育の包括的理解に関する専門的知識を修得し、保育現場で子ども一人ひとりの生活や状況に応じて適切に対応できる(専門的知識・理解)。
・教育課程(保育の計画と評価を含む)を理解し、多様な表現力と子どもや保護者に寄り添う共感力を基盤に、子どもの自主性を重視した保育を研究、立案、実行、改善できる(専門的技能)。
・知性と論理的思考力を背景に、子ども・子育てを取りまく社会問題を総合的に分析し、具体的対策を立案、実行するなど、自主的に問題解決に取り組むことができる(統合的な学習経験と創造的な思考力)。
・多様な地域課題を理解し、地域社会の一員としての自覚を持って、生涯学び続ける態度が身についている。また、職場や地域の人々と良好な人間関係を構築し、協力して物事を行うことができる(社会人としての態度・志向性)。
生活文化学科のディプロマ・ポリシー
本科に2年以上在籍して所定の単位を修得し、以下に掲げる知識や資質を身につけた学生に対して卒業を認定し、短期大学士(生活科学)の学位を授与する。
・キリスト教の愛の精神に基づいて、一人ひとりを大切にできる豊かな人間性と高い教養を兼ね備え、地域社会で幅広く活躍する女性としての使命感・責任感をもっている(キリスト教の教えを背景とした倫理観(態度・志向性)、教養・知性(知識・理解)、汎用的技能)。
・生活科学を基盤とし、食と健康の分野あるいはビジネスに関する専門的知識を修得し、人々の生活を支える使命と責務を自覚している(専門的知識・理解)。
・生活科学を基盤とし、食と健康の分野あるいはビジネスの分野で求められる専門的な技能を身につけ、職業人として活躍することができる(専門的技能)。
・知性と論理的思考力を背景に、生活に関係する課題を総合的に分析し、具体的対策を立案、実行するなど、自主的に問題解決に取り組むことができる(統合的な学習経験と創造的な思考力)。
・多様な地域課題を理解し、地域社会の一員としての自覚を持って、生涯学び続ける態度が身についている。また、職場や地域の人々と良好な人間関係を構築し、協力して物事を行うことができる。(社会人としての態度・志向性)。

信愛教育

誰かのために輝く。
たとえば夜空に浮かぶ星。ひとつひとつは小さな存在に思えても、
たくさんの星が集まれば
夜は華やぎに満ちた世界に変わる。人の世界も、誰かのために輝く人がもっと増えれば
どんなに素晴らしいことでしょう。
自分らしく輝き、まわりの人も輝かせる。
その第一歩を和歌山信愛で踏み出しませんか。

幼きイエズス修道会 信愛の教育

現代社会は、絶えず新しい状況を生み出しています。このような状況の中にあっても、レーヌ・アンティエとその会員が、修道会創立に当たって体験した事柄は変らない価値を持っています。それは、教育者としての私たちの召命(※)そのものが持っている価値です。
※召命・・・神から与えられた使命

教育者の最高の規範は、「人間のすべての条件を身に受けてこの世に来られ、人間性の充満・開花」へと導かれたイエスご自身です。

この規範は、常に現代的意味を持ち、どのような社会、時代、文化の中にあっても使徒的活動の中で実際に生かされなければならないと思います。
この教育の使命の故に、私たちは生命を大切にし、すべての人が生命を神からの賜として心から愛し、大切にするよう全力を尽くさなければなりません。
さらに、「私たちと共におられる神」を広く宣べ伝え、神を信じている人は、キリストの証人であることを公言しなければなりません。

教育の使命には、次のようなことが含まれています。
・一人ひとりを大切にする。特に、社会的に弱い立場に置かれている人を大切にする。
・知・情・意の調和のとれた人間全体の育成に努める。
・他者を受け入れ、他者に仕える。正義、尊敬、愛、非暴力、分かち合い、公正、善意、許しなど、イエス自身が実践し、教えられた価値を忍耐強く教える。
・創造主である神及び神がこの世にお遣わしになった神のおん子イエスに心を開く。
・祈る心、感謝の心を養う。すべての人は平等であり、神の子となるよう招かれているということを教える。

幼きイエズス修道会信愛の教育に携わる教師は、委ねられている学生・生徒・児童・園児一人ひとりが、神から与えられている能力を十分に開発し、人々を愛し、人々に仕えながら、自己教育を続けていくよう導かなければなりません。

幼きイエズス修道会 総本部にて
総長 シスター・ルシル・タルディ
1992年7月16日
カルメル山聖母の祝日に

幼きイエズス修道会 信愛教育の源泉

幼きイエズス修道会員の使命は、「マリアを母として幼子となられた神の愛」を、特に霊的・物質的に恵まれていない地域を優先して、青少年、病人への「キリスト教教育」を通して示すことにあります。ここに幼きイエズス修道会信愛教育の源泉があります。

幼きイエズス修道会の創立者レーヌ・アンティエの愛し合う生き方は修道生活を通して「人々の中に現存しておられる愛の神」に出会うことによって、ますます豊かなものとなっていきました。神の愛を人々に知らせたい、自分が受けた霊的・物質的恵みを人々に伝えたい、貧しさのため学ぶ機会を持たない地域の人々に分かち合いたいという切なる望みは、様々な形をとって実践され、やがて学校教育へと展開されます。

ショファイユに修道会が創立された翌年には、4校を開設、10年後には70校余りの開設となりました。いずれも貧しい村、宗教的雰囲気さえも拒絶するといった、キリスト教教育の困難なところでした。

その様な場所を敢えて選んだ創立者は、キリスト教的世界観、人生観を示し、すべての人が神の子であるという意識に目覚めるよう意を注いだのです。

また、女子教育を重んじた創立者は、キリストがマリアを母として選んだ意義を通して、母の役目の大切さに目覚めさせ、「家庭のよき母」となるため、「マリアの心を生きる人」を育てることに徹したのです。

さらには学校という枠を越えて、地域社会に開かれた公開講座、グループ活動、父母の会、母親の労働の故に教育を受ける機会の少ない子どもたちのための保育所の開設、教育施設のない田舎の小さい村で読み書きを教える女性たちの養成などに努め、キリスト教教育を実践していきました。

1877年来日した幼きイエズス修道会は、崩壊した家庭の子どもたちの育成を出発点として、日本で教育事業を始めました。それ以来、教育と社会福祉が並行して幼きイエズス修道会の使徒職となっています。

子ども達一人ひとりを大切にし、与えられた諸能力を十全に開花させ、自己教育力を身につけ、社会の建設に貢献する人間を目指し、神の子としての生き方を追求するのが、「幼きイエズス修道会信愛数育」です。

この教育理念が生きられるところには、「一つの心、一つの魂」のモットーの下に集う真の学園共同体が実現することでしょう。

幼きイエズス修道会 日本管区
管区長 シスター 脇山ミキコ
1992年3月25日